【視察報告】大阪公立大学の取組について2024年8月8日 大阪府・大阪市

はじめに

大阪府及び大阪市が2019年4月に設立した「公立大学法人大阪」は、今年度、第1期中期目標・中期計画(2019年度~2024年度の6年間)の6年目、最終年にあたります。これまでの取組を踏まえ、今年度中に第2期の中期目標・中期計画の策定が予定されています。これまでの成果や今後の大阪公立大学の取組について学ぶために視察を行いました。

視察に際して、団長くしだより挨拶をする様子


視察先

  • 大阪府庁
  • 大阪府・大阪市副首都推進局

視察内容

  • 大阪公立大学の教育研究組織について
  • 大阪公立大学に関する取組の経過について
  • 第1期中期目標期間(2019年度~2024年度)の主な成果について
  • 大学のさらなる発展に向けた新たな取組について
視察時の説明資料


質疑応答

質問

「統合を進める中で管理部門も一元化していったと思いますが、例えば事務の負荷がかかったことや、逆にスムーズに進んだことはありましたか?」

回答

「統合は三段階で進めてきました。平成31年に府立大学法人と市立大学法人を統合し『公立大学法人大阪』を設立しました。その後、市立大学と府立大学の統合、最後に大阪府と大阪市の管理部門を副首都推進局に統合しました。特に法人管理部門の統合は思ったよりスムーズに進みました。同じ部屋で向かい合わせに仕事をしており、これまでとは比べ物にならないくらい効率的です。一方で、最初の法人統合は勤務形態や給与体系の違いもあり、企業の統合と同様に難しい部分もありました。学域が広がったのが一番のメリットですが、統合の効果はまだこれから現れてくる部分も多いです。」


質問

「大学への運営交付金について、統合前と統合後で府と市の負担額はどう変わりましたか?」

回答

「統合前は府が約100億円、市が約120億円を負担していました。対等合併という形で、公立大学になることで負担を折半し、府と市それぞれが約110億円を負担するスキームとなっています。統合前の運営交付金の総額は維持する方針です。」


質問

「一般の府民や市民は大学の統合についてどのように理解し、関心を持っていますか?」

回答

「森之宮キャンパスが開設される森之宮地区では、これまでURの団地が多く高齢化が進んでいましたが、学生が来ることで街が若返ると期待されています。」


質問

「森之宮キャンパスの規模はどのくらいですか?」

回答

「約6,000人の学生・職員が集まる予定で、キャンパスは約2.5ヘクタールです。」


感想・考察

旧大阪府立大学と旧大阪市立大学、それぞれ約140年の歴史と積み重ねを持つ大学を統合するという大規模なプロジェクトの取組について聴く機会を得たことは非常に意義深いものでした。統合後6年目、開学後3年目ということもあり、まだ明確な成果は見られていないと謙遜されていましたが、得意分野の連携や融合による学域の広がりは、今後府民・市民、大阪の産業界に寄与していくことが期待されます。

2023年度入試では国公立大学で最大の志願者数を記録し、「THE日本大学ランキング」や「THEインパクトランキング」でも、統合前よりも順位が上昇するなど、統合効果が現れています。今後も多くの優秀な人材が集まり、大阪の成長と発展に寄与することが期待されます。

新キャンパス(森之宮キャンパス)の開設は、地域の若返りと活性化が期待されており、街づくりの観点からも注目されています。国立でも私立でもない、公立大学としての意義を常に問いかけつつ、横浜市立大学の運営にも活かしていくべきだと感じました。


まとめ

2019年4月に設立された「公立大学法人大阪」の第1期中期目標・中期計画の最終年にあたるタイミングでの視察となりました。第2期中期目標(2025年度~2030年度)の府・市の議会への提出もこの秋に予定されており、今後の大阪公立大学の取組にはさらに注目が集まります。新キャンパス開設や街づくりも含め、今後の展開が非常に楽しみです。

執筆者:横浜市会議員 大山しょうじ

視察した会派メンバー、左から二人目が大山しょうじ

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