市民へ直接還元する物価高騰対策の早期実施を求める要望書を提出しました― 方針とスケジュールの「見える化」を求めて ―

令和7年12月24日、日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会は、「市民へ直接還元する物価高騰対策の早期実施を求める要望書」を横浜市長に提出しました。

近年の急激な物価高騰は、食料品や光熱費をはじめとする生活必需品全般に及び、市民生活に大きな負担を与え続けています。
特に、子育て世帯、現役世代、高齢者世帯にとっては、日々の暮らしに直結する深刻な課題となっています。

年末を迎え、家計負担が一層増す中で、

  • 「横浜市の物価高対策は遅い」
  • 「何を、いつやるのかが分からない」
  • 「施策の中身以前に、市としての考え方が見えない」

といった市民の声が多く寄せられています。

物価高が長期化する中で、市民の不安を大きくしている要因は、
**支援内容そのものだけでなく、横浜市としての方針や実施時期が示されていないこと、すなわち“見えなさ”**にあると、私たちは考えています。


これまでの経緯

本会派では、本会議での質疑や要望書を通じて、
一貫して 「市民に直接還元され、かつ迅速に実施できる物価高対策」 の必要性を訴えてきました。

令和7年9月4日に市長へ提出した緊急要望書では、次の考え方を明確に示しています。

  • できる限り多くの市民に公平に恩恵が行き渡ること
  • 人的・事務的負担を最小限に抑え、迅速に実施できること
  • 市民生活において「実感」を伴う対策であること

その上で、

  • 水道料金の基本料金を一時的に減額する取組
  • 国の制度開始前を見据えた小中学校給食費への一時的な支援

など、他都市の先行事例も参考として提示してきました。

これらはあくまで例示であり、
横浜市として、市民生活に最も効果的な施策を速やかに判断し、実行すべきであるという問題提起です。


今回の要望事項

以上の経緯と現状を踏まえ、本会派として横浜市に対し、次の点を強く要望しました。

1.横浜市としての物価高対策に関する基本的な考え方、方向性および実施時期を、速やかに市民に示すこと。

2.国の総合経済対策と連動し、市民に直接還元される物価高対策を、可能な限り前倒しで実施すること。

3.年末年始という家計負担が特に大きい時期を見据え、市民の不安に寄り添った迅速な対応を行うこと。


要望書提出時に行った議論について

― 伊地知副市長との意見交換 ―

要望書提出にあたり、2025年12月24日、日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会として4名で、伊地知副市長と意見交換を行いました。
その場では、横浜市が直面している現実や制度的制約も含め、率直な議論が交わされました。

① 物価高対策の「考え方・方向性」を早く示す必要性

市民から
「横浜市は遅い」「何をいつやるのか分からない」
という声が強く、不安が広がっている状況を共有しました。

具体策の前に、
市としての基本的な考え方や方向性を、できるだけ早く示すことが重要
という点について、認識を共有しました。


② 重点支援地方交付金の構造的な制約

今回の重点支援地方交付金は、財政力指数が反映される仕組みとなっています。

人口規模が大きく、財政力の高い横浜市では、
一人当たり換算で 5,000円台程度 にとどまる見込みであり、
市民全員への一律給付は難しいという現実が共有されました。


③ 「広く薄く」よりも「実感できる施策」へ

細かな事業に分散させるよりも、
市民が「支援を受けた」と実感しやすい形で、
ある程度まとまった使い方が必要ではないか、という問題意識が示されました。

一方で、対象者が多い横浜市では、
どの施策を選んでも事務費が大きくなるという課題も確認されました。


④ 給食費をめぐる現状と悩ましさ

学校給食費については、

  • 実際の原価はすでに 6,000円超
  • 国の基準は 5,200円

という差があり、その差額を
保護者負担とするのか、市が上乗せするのかという判断を迫られています。

また、「無償化」とした場合、制度上・財政上、元に戻すことが難しいという点も共有され、
単純に是非で割り切れない課題であることが確認されました。


⑤ スピード感と情報発信の重要性

当初予算を待つと対応が遅れるため、
補正予算や発表時期の工夫も含め、スピードを意識する必要性が確認されました。

また、市民への情報発信についても、
議会側と相談しながら、分かりやすく伝えていくことが重要であるとの認識が示されました。


【参考】国の総合経済対策・重点支援地方交付金で

市民に直接還元可能な主なメニュー

国の総合経済対策および重点支援地方交付金では、自治体の判断により、次のような施策が想定されています。

  • 住民への現金給付・定額給付
  • 水道・下水道料金など公共料金の負担軽減
  • 子育て世帯や低所得世帯への重点支援
  • 学校給食費や保育料など子育て関連費用への支援
  • 地域商品券・電子ポイント等による家計支援

多くの自治体では、すでに具体的な施策内容や実施時期を示し始めています。
一方で、横浜市では現時点で、これらのメニューをどのように活用するのかは未定となっています。(0-18歳に子どもに2万円を支給する補正予算は既に成立し、3月上旬から支給予定です)


結び

物価高が続く中で、市民の安心につながるのは、
支援の内容だけでなく、**横浜市として「どう考え、いつ動くのか」**が明確に示されることです。

方針やスケジュールを早期に見える形で示すこと自体が、
市民の不安を和らげ、行政への信頼につながる重要な役割だと考えます。

本会派として、
横浜市の物価高対策が検討にとどまることなく、
市民が実感できる形で、速やかに実行されることを引き続き求めていきます。

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